会社破産で予納金が払えない場合の対応方法

文責:弁護士 石井浩一

最終更新日:2025年08月05日

1 最終的に予納金が払えなければ破産はできない

 予納金は、破産手続を始めるために裁判所に納めることが要件となっています。

 国庫仮支弁といって国が予納金を仮に出す制度が破産法に規定されていますが、ほとんど使われた事例はなく、通常はあてにできません。

 会社破産を始めるために、予納金をどうやって捻出するかが問題になるケースが多くあります。

2 資産の売却や現金化

 最初に予納金捻出のために検討するのは、資産を現金化する方法です。

 残っている在庫や機械を売却する、売掛金を回収してくる、代表者個人の保険を解約するなどもよく行われます。

 在庫や機械を売却する場合は、相見積もりをとって最も高い相手方に売却して証拠を残すなど、不適切に安値で売ったといわれないようにしなければなりません。

3 少額管財事件で済むよう廃業後の処理を進める

 予納金は、最低は20万円で、残務が多いほど高額になります。

 そのため、最低の予納金で済むように、代表者が廃業後の処理を自力で進める方法が考えられます。

 具体的には、明け渡すべき事業所を明け渡す、従業員の失業手当や社会保険の関係の手続きを自力で行う、廃棄費用がかかりかねないものを処分する等です。

4 親族等の援助

 自力で予納金が捻出できない場合に、ご親族に援助してもらうケースも多いです。

 援助する方は、ご親族でなくても次の就職先や友人でも構いませんが、返済する借金としてではなく返済しないでよい援助を受ける形でないと、破産手続上問題があるので、注意が必要です。

5 会社破産には法テラスは利用できない

 法テラスの利用を勧めるホームページ等も見受けますが、会社破産の場合では役に立ちません。

 会社破産には法テラスは使えず、予納金は法テラスが立て替える対象ではないからです。

6 予納金がたまるまで破産申立てをしない

 予納金は、裁判所に破産申立てをすればすぐに納める必要があります。

 すぐに用意できないなら、就職して貯金ができてきて予納金額がたまるまで破産申立てをせずに、自力で対応するか事実上放置せざるをえないこともあります。

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